基本理念

法の支配の実現に向けて

我が国で永らく行なわれてきた官主導の事前規制は、高度成長期には国を挙げての産業育成に功績を果たしたものの、一方で弊害も多く生み出しました。不透明な規制によって独占的に守られる先行者利益とそこに関わる利権は、時として新規参入を妨げ、国民経済の発展を疎外してきました。同時に、明治以来の中央集権の下、特殊法人等の天下り先による官僚の省益確保、中央から地方への国益を度外視した利権誘導等が多く行なわれる中で、日本は財政的にも大きな行き詰まりを見せています。ここには一言で言えば、「人の支配」と評すべき傾向を見出すことができるでしょう。

演説シーン01

これに対し、近時は、交通手段の進歩と高度情報化社会の進展により、ヒト・モノ・カネが国境を越えてめまぐるしく移動するグローバル社会が到来する中、経済社会のあり方もまた、国際的な競争を可能にするグローバルスタンダードを求められています。もはや予定調和型の事前規制は通用せず、誰もが同じ土俵の上で競うことのできる公正な自由競争社会を実現することが急務となっているのです。そのための判断基準は客観的に判断可能な法と正義そのものというべきであり、官僚の裁量や政治の権力闘争をもってしても超えることのできないより高次の正義の法による支配(「法の支配」)が求められるのです。

紛争の事後処理社会と弁護士の役割

自由競争社会では、競争しあう者同士の紛争を事前に官主導で避けることはできず、民間の予防的対応が重要となります。民間の当事者間における契約の果たすべき役割が増しているといえます。また、不幸にして紛争が生じてしまった場合には事後処理型の対応をしなければならず、裁判制度の重要性もまた増しているといえます。これらにおいて、主導的役割を果たすのが法律家たる弁護士です。

演説シーン02

弁護士は、その法的知識と、実務経験に裏付けられたバランス感覚、リーガル・マインドの下、法の支配を具現するべきものです。当事者間で主張の衝突するような事案においては、依頼者の利益を代弁して主張を戦わせることで妥当な結果を導き、これによって社会正義を実現することになります。判例・通説の確立した分野においても、具体的事案へのあてはめにおいて、弁護士のリーガル・マインドが果たす役割は大きいでしょう。まして、新しい法分野のように、解釈が分かれる争点において判例も通説的見解も未生成の状況では、弁護士の果たすべき役割はいよいよ大きいといえるでしょう。

企業法務のあり方と弁護士の役割

企業の所有(株主)と経営(経営陣)が分離する中、我が国では経営陣の違法な経営によって株主の利益が損なわれる事態は枚挙にいとまがない状況を呈してきました。この点、経済のグローバル化の中で、日本企業が国際化を果たし国際的投資に耐えうるようになるためには、グローバルスタンダードに基づく経営が不可欠です。そこでは、正確な企業情報の開示と遵法経営に基づく株主・投資家保護が何よりも求められます。特に、消費者保護や企業の社会的責任(CSR)への意識の高まりは、違法経営に対する社会的批判を増大させる要因となっており、企業のリスク・コントロールの観点においても、違法行為を選択することはナンセンスといわざるを得ない状況です。

演説シーン03

弁護士は、コンプライアンスの観点にウェイトを置きつつも、効率経営の視点をも意識した企業のガバナンス(企業統治)を可能にするために、企業法務に関わることになります。そのアドバイスは、特に企業が違法行為を選択しようとするとき、経営陣の判断と矛盾することもありますが、法の支配を広くあまねく企業の分野においても実現するためには、弁護士のスタンスは常に法と正義を意識したものであるべきで、それ故にこそ弁護士は、他士業とは一線を画した存在意義を有するところとなるのです。

当事務所のコンセプト

このような弁護士の役割を明確に意識して、当事務所は設立されました。従って、当事務所は、法の支配の具現化による社会正義の実現を根本的課題とし、そのために、企業法務においてはコンプライアンス(遵法経営)の確立に基づくガバナンス(企業統治)の実現を目指し、また非事業者においては、法制度が予定する妥当な結果を導くことによりその正当な利益の実現を目指します。民商法全般にわたる各種契約による紛争の予防、取締役会・株主総会指導や企業経営の諸場面での助言、各種裁判における代理は、まさに当事務所が日々取り扱うところです。

また、当事務所は、社会のニーズに応えるため、特に新しい法分野にも積極的に取り組んでいます。例えば、高度情報化社会において重要な資産となる情報に関しては、その保護と利用の妥当な調和が図られなければなりません。個人情報の保護や不正競争防止法による営業秘密の保護、著作権を始めとする知的財産権の保護などの諸課題は、当事務所がこれまで積極的に取り組んできた課題です。また、違法告発からの名誉・信用の保護と、その反対側にある正当な告発(公益通報)の保護や内部通報制度を活用したコンプライアンスの確立もまた、当事務所が積極的に関わる法分野です。

このようにして、当事務所は、より的確なリーガル・サポートの実現のために、ドッグ・イヤーとも言われる今日の社会の目まぐるしい激変ぶりにしっかりと対応し、そこから生成する新たな課題に常にアンテナを向けていきます。そして、最先端の課題を視野に入れた的確な事務処理を目指します。ご依頼の案件には、どのようなリーガル・リスクがあり、どうすればそれを最もよく回避できるか。皆様のお役に立てるよう、益々精進して参ります。